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貯蓄と投資の最適な割合【アセットアロケーションとリバランス】

投資を考えていますが貯蓄からどの程度投資に回せばいいのでしょうか?

と疑問を持っている方にむけて、

この記事では「貯蓄と投資の最適な割合【アセットアロケーションとリバランス】」について独自の目線で紹介します。

用語の定義は以下になります。

  • アセットアロケーション・・・大まかな資産(アセット)配分(アロケーション)のことです。
  • ポートフォリオ・・・詳細な金融商品の組み合わせのこと
  • リバランス・・・株式、債券、投資信託などの価格が上下することによって、当初の割合が崩れてしまったポートフォリオを元の状態に戻すこと

投資の専門家の間では、貯蓄と投資の割合については、アセットアロケーション(資産配分)やポートフォリオ(現金預金も含めた金融商品の組み合わせ)という用語を使って説明されます。

結論:貯蓄と投資の割合は専門家の間でも意見が割れる

「貯蓄と投資の最適な割合はいくつか?」という難問については、2つの要素が混在しているとおもいます。

  • ①貯蓄から何%を投資に回すべきか?
  • ②資産運用に回す資金のうち、どの割合で運用を行うか?

世界的に著名な投資家の意見を以下にまとめましたが、いずれも

  • 短期的に必要な資金は現金で確保したのちに、余剰資金で投資を行う
  • 長期的に使わないお金については資産運用(現金保有もその手段のひとつ)するのが有利

という前提で議論されています。それでは見てみましょう。

【投資の専門家①】ウォーレン・エドワード・バフェット氏

バフェット氏は世界最大の投資持株会社であるバークシャー・ハサウェイの筆頭株主であり、同社の会長兼CEOを務める世界的にスーパー有名な投資家です。2007年に世界長者番付で1位になったことも有名です。

ウォーレン・バフェットは、彼が亡くなったときに家族が従うためのシンプルな投資計画を立てました。2013年のバークシャー・ハサウェイの「株主への手紙」の中で、彼は、

10%を短期国債に、90%を低コストのS&P500インデックスファンドに投資すべし」と指示しています。

彼は、「この投資方針による長期的なパフォーマンスは、年金基金、機関投資家、個人を問わず、高報酬の運用担当者を雇用するほとんどの投資家によって達成されるパフォーマンスよりも優れていると考えています」と述べています。

歴史的にみても、多くのファンドマネージャーの大半がS&P 500の投資成績に勝つことができていないことから、バフェットの方針は合理的判断といえます。

また、S&P 500が下落すると、短期国債の価値が上昇する傾向があるので、バフェットが短期国債への投資を10%推奨している理由は、S&P500のリスクヘッジとして機能するからであると考えられます。

【投資の専門家②】バートン・マルキール教授

バートン・マルキール氏はプリンストン大学経済学部の教授です。

マルキール氏は、投資のバイブルとも呼ばれるベストセラー著書「ウォール街のランダム・ウォーカー」の中で年代別の理想的なアセットアロケーションを提案しています。

  • 20代半ば:株式70%・債券15%・不動産10%・現金5%
  • 30代後半から40代半ば:株式65%・債券20%・不動産10%・現金5%
  • 50代半ば:株式55%・債券28%・不動産12%・現金5%
  • 60代以降:株式40%・債券35%・不動産15%・現金10%

年を重ねるにつれてリスクの低い債券や不動産の比率を上昇させ、リスクの高い株式比率を減らすという考え方です。一方で、どの年代でも現金は10%以下が理想であるとしています。

【投資の専門家③】レイ・ダリオ氏

レイ・ダリオ氏は世界最大のヘッジファンド「ブリッジ・ウォーター・アソシエイツ」を率いる著名投資家です。

レイ・ダリオ氏は次のアセットアロケーションを提案しています。

長期アメリカ国債40%、株式30%、中期アメリカ国債15%、金7.5%、コモディティ7.5%

レイ・ダリオ氏の推奨するアセットアロケーションは非常に保守的です。

レイ・ダリオ氏はその理由として、「個人投資家のリスク許容度は自分が思っている以上に低いことからこのような配分が適している」とのことです。

【投資の専門家④】ジェレミー・シーゲル教授

ジェレミー・シーゲル教授は金融が専門のスーパー有名な経済学者です。

彼は著書「株式投資第4版」の中で、個人のリスク選好度合い投資期間によって下記のアセットアロケーションを提案しています。

画像元:株式投資第4版

ジェレミー・シーゲル教授の推奨アセットアロケーションは、株式中心の運用を推奨しています。これは、長期的には株式が最もリターンが高く、長期であるほどリターンも安定するという研究に基づいた判断なのだと思います。

日本は投資割合が低い貯蓄大国

日本の現状を調べてみました。

画像元:金融庁「平成27事務年度金融レポート(pdf)」

上の図は日本の貯蓄と投資の割合を他の先進国と比較したものです。

結果は予想通り、日本はアメリカやイギリスと比べて現預金比率が高く、リスク資産である株式・投信等の比率が低いといった特徴があります。

また、株式・投信等を直接保有している比率は、米国が3割を超えているのに対して日本は1割強に留まっています。

この比率が日本と同様に1割強に留まっている英国においても、年金・保険等を通じた間接的な保有を含むベースで見ると、株式・投信等への投資比率は4割弱まで増加するとのことです。

上のような貯蓄と投資の割合の違いは、家計所得の収入源にも大きな違いをもたらしています。

画像元:金融庁「平成27事務年度金融レポート(pdf)」

上の図は家計の所得のうちの勤労所得と財産所得の比をアメリカと日本で比較したものです。

米国は、家計の所得のうちの勤労所得と財産所得の比が概ね3:1で推移していますが、

日本は、おおむね8:1程度です。

家計の所得のうちの財産所得の割合がアメリカに比べて低いことが読み取れます。

貯蓄と投資割合のリバランスも重要

バランスを見極めることは投資においても重要です。ポートフォリオのアセットアロケーションン(資産配分)を決定する際には、リスク許容度、投資目標、投資の時間軸に応じて、リスクと期待リターンとのバランスを考慮する必要があります。

とはいえ、投資バランスを見極めても、維持し続けることができなければ意味がありません。ここにリバランスを行う意味があります。リバランスとは、定期的に「勝ち」ポジションの一部を売り、「負け」を買い増すことで、当初目標として定めた資産配分とリスク特性に戻すことが出来るのです。

貯蓄投資割合と同じように、リバランスの目的はリターンの最大化ではなく、リスクをコントロールすることです。

下の図は、89年間にわたって2つの仮説ポートフォリオのリスクとリターンを比較したグラフです。いずれのポートフォリオについても、グローバル株式とグローバル債券の比率は、最初のアセットアロケーションではそれぞれ50%と設定します。ポートフォリオの一方は、年1回のリバランスを行い、もう一方はリバランスを実施しないものとします。

リバランスしないとどうなるのか

画像元:バンガード社HP

長期では株式が債券のパフォーマンスを上回ります。上のグラフのように、リバランスを実施しなかったポートフォリオでは株式のアロケーションが高まり、リバランスを実施したポートフォリオを上回るリターンを生んでいます。

しかし、価格変動リスクが大きいという重大な欠点があります。リバランスを行わないことで目標の貯蓄投資割合と比べて価格変動リスクが高まるだけでなく、退職時期が迫りリスク許容度が低下するなかでも、価格変動リスクが拡大し続ける可能性が高まってしまいます。

リバランスの最善の方法とは

リバランスの戦略を考える上では、売買手数料やポートフォリオのモニタリング、税金などを考慮する必要があります。

バンガード社が推奨している戦略はコレです。

・時間と基準に基づく戦略

・キャッシュフローを利用したリバランス戦略

時間と基準に基づく戦略は、所定の時間的間隔かつ一定の基準を満たした場合に限ってリバランスを実施する戦略です。取引コストが抑えられることやポートフォリオの継続的なモニタリングの必要性が無い点から、リスク管理とコスト最小化のバランスがとれた優れた戦略です。

例えば、年1回または半年に1回、5%の基準値を満たした場合にのみ、リバランスを行うようなやり方です。

キャッシュフローを利用したリバランス戦略はキャッシュフローに合わせてリバランスする戦略です。

一つの資産クラスを売って別の資産クラスを買うのではなく、ポートフォリオの配当金や分配金等を使って、目標水準より低くなっている資産クラスを買い増すやり方になります。低コストで実現できることが特徴です。

以上、ご参考までに。